ドイツVS日本戦の見逃しならABEMA!全64試合すべて無料!ハイライトも無料配信!
勝利を導く二面性。森保ジャパンは前半と後半で異なる顔を使い分け、ドイツに逆転勝利を収めた。
前半は耐える展開。序盤こそボールを奪ってカウンターを仕掛ける機会はあり、前半8分に前田大然が押し込んでオフサイドを取られた場面はその一つだった。他にも久保建英が敵陣でボールを奪ったチャンスなど、いくつかのカウンターを仕掛けている。
しかし、時間と共にドイツに主導権を握られる展開になった。
ドイツのビルドアップは、4-2-3-1から左サイドバックのラウムを高い位置へ上げ、3-2-5へ変形する仕組みを持っている。
日本の4-4-2守備は、この3-2-5に対してビルドアップの始点と終点でどちらも数的不利になり、かみ合いにくい。特に両サイドバックの酒井宏樹と長友佑都は、常に1対2に晒される問題を抱えた。
一方で日本の両サイドハーフは浮いているので、久保と伊東純也が、前へ行ってプレッシングをかみ合わせるか、後ろへ下がって最終ラインに入るか、あるいは中へ絞るか。動的、瞬間的に3枚の前線プレス、あるいは下がって5バックを形成するかの判断を行いながらプレーすることになる。
厄介だったミュラーの存在
ところが、ここで日本に問題を引き起こしたのがミュラーだった。彼のポジショニングは一つの基準を持っていた。それは久保の背後だ。
ミュラーが久保の背後に立つことで、久保が前へ出てズーレへプレッシャーをかけたとき、ミュラーがサッと開いてボールを逃がす場所を作ってしまう。これでは久保のズーレに対するプレッシングは機能しない。
日本は右の伊東が最終ラインまで下がるカバーを行い、左の久保は前へ出てプレスをかみ合わせることが多いが、この機能をミュラーに壊された。
また、ミュラーが久保の背後に立つことで、ボランチの田中碧が外に引き出され、キミッヒとギュンドアンが空いたり、ニャブリがカットインしてきたりと、次々と日本に問題を引き起こしてきた。
判断の誤りが命取りに
失点場面も、ミュラーが起点だった。右サイドからボールを運び、一瞬空いたキミッヒを経由し、逆サイドへ。
このとき伊東と酒井が共にムシアラへ向かってしまい、大外のラウムがフリーに。結果、飛び出したGK権田修一がファウルでPKを与えた。
伊東は「中へ絞ったけど大外に付いて下がれば良かった」と振り返ったが、これはミスマッチ守備の難しいところだ。一瞬の判断の誤りが、命取りになる。
後半の5-2-3へのシステム変更は、この点をクリアーにした。
3-2-5のビルドアップに対し、5-2-3でかみ合わせる。ドイツのポジショナルプレー効果を、マンツーマンで消した。
5バックはお尻が重たくも感じられるが、後ろを気にしながら4バックでプレスに行くよりも、5枚でかみ合わせたほうが、前線が思い切ってプレスに行ける。
また、そのシステム変更のために、ドイツの基準点になっていた久保を下げたのも巧妙だった。多少、相手に戸惑いはあったはず。そこへ日本が畳み掛けた。
肉を切らせて骨を断つ
このシステム変更が極めて効果的だったことは、試合を見ればわかる。ただ、ハーフタイムまで待ったのはなぜだろう? 前半30分くらいに修正していれば、結果論だが失点も防げたのではないか。
しかし、その場合はドイツに、ハーフタイムに修正する時間を与えることになる。ハンス=ディーター・フリック監督がロッカールームで5バック破りの策を授けたり、そのための選手に交代したりする機会も与えてしまう。それを避けたのかもしれない。
肉を切らせて骨を断つ、というべきか。森保監督が5バックへの変更をハーフタイムまで我慢したことは、日本が1失点の痛みを味わった一方で、ドイツにも修正の余裕を与えず、後半の戦術変化によるサプライズ効果を最大まで高めた。
このあたりは、さすがに我慢の森保。
積極的守備のための5バックという、今までにない策を用意し、それを圧倒的劣勢の中でハーフタイムまで我慢した。5バック自体は他の監督でも思いつくはずだが、それを使う最適なタイミングまで動かず、待てるところが森保監督らしい。
中国の三国志には、大きな野心を秘めて苦しい時期を耐え抜いた男の格言がある。
竜が沼の淵に潜むのは何のため
時期を待ち天に昇らんが為であろう
ちょっと森保さんに重なる。これも勝負師の一つのタイプ。風林火山で言えば、圧倒的な山だ。山の大きさを見た気がした、ドイツ戦だった。(文・清水英斗)
FIFA ワールドカップ 2022 - グループE 第1節 ドイツ 1-2 日本
【得点者】
ギュンドアン(ドイツ) 前半33分
堂安(日本) 後半33分
浅野(日本) 後半38分
ーーー
FIFAワールドカップ カタール2022が 11月20日開幕!22回目となるスポーツ界最大級の祭典は史上初めて中東、冬開催の大会となる。1試合の交代枠が5人、登録選手も各チーム26人とルール変更もあり、新たなFIFAワールドカップとして記憶される大会となりそうだ。日本はFIFAワールドカップ フランス 1998から7大会連続7度目の出場となる。2002、2010、2018の3大会でベスト16に進出している。初のベスト8以上という目標を掲げて挑む森保ジャパンだが、ドイツ、コスタリカ、スペインと同居するグループリーグは過去最高に厳しい組み合わせとなった。強豪相手に如何にして戦うのか注目が集まる。
◇グループステージ 組み分け
【グループA】カタール、 エクアドル、セネガル、オランダ
【グループB】イングランド、イラン、アメリカ、ウェールズ
【グループC】アルゼンチン、サウジアラビア、メキシコ、ポーランド
【グループD】フランス、オーストラリア、デンマーク、チュニジア
【グループE】スペイン、コスタリカ、ドイツ、日本
【グループF】ベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチア
【グループG】ブラジル、セルビア、スイス、カメルーン
【グループH】ポルトガル、ガーナ、ウルグアイ、韓国
◇日本戦情報
グループE 第2節 日本 vs コスタリカ
11月27日(日) 日本時間 19時00分 キックオフ
ABEMA LIVE中継 18:00
テレビ朝日系列 LIVE中継 18:40
グループE 第3節 日本 vs スペイン
12月2日(金) 日本時間 4時00分 キックオフ
ABEMA LIVE中継 3:00
フジテレビ系列 LIVE中継 2:00
ハイライト
FIFA ワールドカップ 2022 - グループE 第1節 ドイツ - 日本
堂安・浅野の2ゴール!肉を切らせて骨を断つ。“我慢の森保”が土壇場で見せた、積極的守備のための5バック【FIFA ワールドカップ 2022 グループE ハイライト】
最新ニュース
-
ハイライト
ハイライト総括編FIFA ワールドカップ カタール 2022 ハイライト 日本代表総括編
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント 決勝戦)【大会23日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント 3位決定戦)【大会22日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント 準決勝)【大会21日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント 準決勝)【大会20日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント 準々決勝)【大会19日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント ラウンド8)【大会18日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント ラウンド16)【大会17日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント ラウンド16)【大会16日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
FIFA ワールドカップ 2022 - ラウンド16 日本 - クロアチア“新しい景色”を見るために臨んだ一戦。クロアチアにPKで負け、ベスト8入りを逃す【FIFA ワールドカップ 2022 ラウンド16 ハイライト動画】
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント ラウンド16)【大会15日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
ハイライト
デイリーハイライト(決勝トーナメント ラウンド16)【大会14日目】FIFA ワールドカップ カタール 2022 デイリーハイライト
-
コラム
木崎伸也のシュヴァルべを探せフリックもエンリケも対応出来なかった森保カメレオン戦術、そのヒントは別競技にあり?
-
ハイライト
FIFA ワールドカップ 2022 - グループE 第3節 日本 - スペイン後半ラッシュ、冨安投入など、日本の強さが凝縮されたスペイン戦の勝利【FIFA ワールドカップ 2022 グループE ハイライト】
-
ハイライト
FIFA ワールドカップ 2022 - グループE 第1節 ドイツ - 日本堂安・浅野の2ゴール!肉を切らせて骨を断つ。“我慢の森保”が土壇場で見せた、積極的守備のための5バック【FIFA ワールドカップ 2022 グループE ハイライト】
-
スペシャル対談
LEGEND W MOMENT特別編 田中マルクス闘莉王 ✕ 鈴木啓太 Vol.1チームの立ち位置を確認した選手ミーティング